発達障害は種類があり症状はさまざま!

発達障害は脳の働き方の違いにより、幼いころから行動や感情面に固有の特徴がある状態です。発達障害は本人だけでなく、家族や友人など多くの人が悩むこともあります。歴史を見ると、発達障害と思われる偉人が多くいます。発達障害は本人や家族・周囲の人が特性に応じた対応を工夫することで、本人がもっている潜在能力を最大限活かせるでしょう。今回は発達障害について詳しくご紹介します。

1. 発達障害は6.5%の割合で発症

発達障害は子どもの症状として、約20人に1人くらいの割合で見られるといいます。しかし発達障害という言葉が独り歩きして、深く理解している方はそれほど多くないようです。

現在は発達障害が子どもだけでなく、大人にも使われるようになり、有名人が発達障害とカミングアウトしています。理解しているようで今一歩分かりにくい発達障害について、詳しく解説しましょう。

2. そもそも発達障害とは

発達障害は生まれながら、脳の働き方の違いにより、幼児の頃から行動面や情緒面に特徴があります。周囲の人との関わりにミスマッチが発生することも多く、団体生活や社会生活に困難な面が見かけられることもあります。そのため両親は育児の悩みを抱えたり兄弟で争いが絶えなかったりして、当人は生きにくさを感じることもあるのです。

発達障害は本人の自覚と家庭や学校・職場において家族や周囲の人々が、発達障害の特性に応じた接し方を工夫することで、相互の利益になることがあります。発達障害は異質で強力なパワーを持ち合わせていることがあり、その能力を活かせるでしょう。

2-1. 発達障害は種類がある

発達障害には自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(学習症)やチック症、吃音などが含まれます。これらの症状の背景には、生まれつき脳の働き方が異なっているという点は共通しています。また同じ障害名でも異なった特性が現れることもあるのです。複数の発達障害をもつ場合もあります。次章で自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害について詳しく解説しましょう。

3. 発達障害の代表的な症状

発達障害の症状は複数あります。そのなかでも比較的発症例が多いのは、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)に自閉スペクトラム症です。

発達障害として一括りにされているものの、それぞれの症状に異なる特性があります。

3-1. 注意欠如・多動症(ADHD)

ADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)は、「注意欠如・多動症」あるいは「注意欠如・多動性障害」と呼ばれます。落ち着きがない・待てない(多動性・衝動性)・注意も持続しにくいなどの特性があるものです。不注意(集中力がない)・多動性(じっとしていられない)、衝動性(思いつくと行動してしまう)といった症状も見られる障害です。

職場では注意力散漫で作業ミスが多い・忘れ物も多い、片づけや段取りを立てるのが苦手・仲間内のルールや約束が守れないなどの、ウイークポイントもあります。ただし発想力や独創性に富んでいて、斬新なものを企画する能力が高い傾向もあるのです。また好奇心も強く、感受性に優れている人もいます。

3-2. 学習障害(LD)

学習障害は英語では、LD(Learning Disability)です。知的発達に問題がないのに、聞く・読む・書く・計算するなどのうち、特定の学習のみかなり困難が認められる症状です。困難さを感じる特徴によってディスレクシア(読字障害)、ディスグラフィア(書字障害)、ディスカリキュリア(算数障害)とも呼ばれています。

実社会では「読み書きそろばん」といわれるほど、どのひとつが欠けても周囲と連動して行動したり働いたりは難しくなります。そこで周囲が学習障害であることを理解して、時間に余裕をもたせ時間がかかってもよい仕事を任せましょう。

3-3. 自閉スペクトラム症

人間は他人とコミュニケーションをとる場合、言葉だけでなく視線・表情・身振りなども用いて気持ちを精一杯伝えます。自閉スペクトラム症の場合は、自分の気持ちを伝えたり相手の気持ちを読み取ったりすることに、大変苦労するのです。自閉症スペクトラム症の場合は特定のことに強い関心をもち、強くこだわることもあります。また過敏すぎると思えるほどの感覚を持ち合わせている場合もあります。つまり社会的コミュニケーションや対人関係は困難なものの、限られた行動や興味ある事項にはとことん反復行動をいとわないなどの、特性が顕著です。

4. 発達障害の治療や支援

発達障害に対しては薬を使用する薬物療法と、発達支援(療育)というふたつのアプローチがあります。発達障害独特の対応だけに、長く地味な努力が必要です。

4-1. 薬物療法

発達障害の症状によっては、薬を使って治療することがあります。処方される薬の成分が、偏った脳内の神経伝達物質を正常な状態に改善、調整する手助けする働きをします。原則として6歳以上から処方が可能です。

現在処方される薬物は、障害を根本的に治癒するものではなく、発達障害の症状緩和が目的となっています。薬物療法は副作用が生じる危険性もあり、医師とよく話し合い、容量・用法を厳守することが基本です。

4-2. 発達支援(療育)

発達支援(療育)とは、障害のある子どもさんやその可能性のある子どもさんに対し、個々の発達の状態や障害特性に応じ、現在困っている問題の解決を図ります。また将来自立し社会へ参加できることを目標に、家族や友人が支援をすることです。

子どもさんの発達障害は、一人ひとり発達のスピードが異なり特性も大きく違います。それだけに子どもさんの発達の状況や障害特性に合わせた関わりを、周囲が心がけなければなりません。そこからできることを増やして、隠れている潜在能力を引き出せることもあります。発達支援は発達障害の子どもさんに対し、重要な対応方法です。

4-3. カイロプラクティックは脳の発達を促すプログラムも

カナダやアメリカでは、カイロプラクティックドクターが発達障害専門の施設を運営しています。4か月の専門プログラムもあり、発達障害の子どもさんに改善の兆候が見られることもあるとのことです。

5. まとめ

歴史を見ると現代であれば発達障害に含まれる偉人がいます。織田信長はアスペルガー症候群といわれ、坂本龍馬やレオナルド・ダヴィンチ、トーマス・エジソンはADHDだったと言われています。またアインシュタインはディスレクシア(読字障害)であったといいます。発達障害がありながら人生で大成功した先輩もいるのです。

「子どもブレインバランスセンター」の院長・鈴木明弘は、日本カイロプラクティック徒手医学会元副会長として日々研究活動に取り組み、臨床神経学講座講師としても指導を行っています。脳科学の仕組みを用いた子どもさんのカラダに関する臨床をもとに、脳の発達に不安を感じる子どもに対しての取り組みを始めています。ぜひとも一度お問い合わせください。