【必見】発達障害の子どもの特徴や家でもできるトレーニングとは?
来院される親御さんからよく「家で出来るトレーニングを教えてください。」といわれます。
確かにブレインバランスプログラムには、様々なトレーニング方法が用意されています。
そこで本記事では、発達障害の子どもの特徴や家でもできるトレーニング方法をご紹介します。
まず発達障害の子どもには脳環境を整えよう
当院では、発達障害の子の脳の機能検査の後、施術の刺激で脳を働きやすい環境に改善します。
改善させた後にいろいろな道具を使って楽しく身体を動かして脳を刺激します。
家庭では、同じような道具がないのでまるきり同じことをする必要はありません。
発達障害の子は何より脳が働きやすい環境を作ることが重要で、脳の環境が整えばどんなことでも成長の刺激となるといっても良いでしょう。
発達障害の子どもには体性感覚を養うことが大切
赤ちゃんは、羊水の中にいるときから動いています。
妊娠後期になるとお母さんのお腹を蹴るようになります。
これは脚を伸ばしたり曲げたりしているという事で、赤ちゃんの動きの始まりは、関節の曲げ伸ばしから始まります。
その後、手足の左右の動きが始まり寝返りが出来るようになり、寝ている状態から身体を支えられるようになります。
最後に交差する手足の動きが出来るようになり歩けるところまで成長します。
このように体性感覚をコントロールする右脳を中心に発達が進みます。
しかし、発達障害の子は、右脳の体性感覚の発育に遅延が起こっています。
そのことで言葉を使う左脳の発達を妨げたり、神経のやり取りが増えなかったりすることで様々な症状を生んでしまいます。
身体を動かして体性感覚を養うことが一番
運動は、記憶の海馬と判断の前頭前野を活性化することが科学的に証明されています。
ここで、体性感覚を養うことは子どもの脳の働きにとって何につながるかアンデシュ・ハンセン著「運動脳」の中から一部紹介します。
子どもの記憶力や学習能力を驚異的に伸ばす方法として身体活動を注目して、スウェーデンの小学校では学校の体育の時間を使って実験を行っています。
内容は以下の通りです。
2つの小学校で、時間割に体育を毎日組み入れたクラスと通常通り週に2回のクラスを作り、そのほかの授業内容回数の条件はすべて同じにしました。
その結果、毎日体育の授業を受けた生徒は、体育の成績が良くなるのは当たり前ですが、算数や国語でもよい成績を取って、その効果は何年も続いたと言うことです。
また、アメリカの小学3年生と5年生、250名を対象にした調査でも同じ結果を得ています。
生徒の体力を把握するために心肺機能、筋力、敏捷性を測定しました。
その結果、体力のある生徒たちは、学業においても優れていることが判かりました。
これだけで結論を出すには、気が早いとは思いますが、ネブラスカ州では1万名に近い子ども達を対象に同じ検査をしました。
やはりここでも体力的に優れた子供は、体力のない子供より、算数や英語の試験の得点が高かったという結果が出ました。
子どもが運動をすることで学力が上がる理由
大人の運動に関する実験で、海馬(記憶の中枢で感情の制御もしている部分)と前頭前野(判断・行動・思考をコントロールする部分)が成長することが証明されています。
子どもでも同じことが起きているようです。
10歳の子どもの脳のMRIでも、体力のある子は海馬が大きいことが判って言います。
子どもにとって好ましい運動量とは?
9歳児が20分運動すると、1回の活動で読解力が格段に上がったというデータがあります。
子どもの集中力を維持するための運動の調査が行われています。
10代の子ども達が12分ジョギングをしただけで、「読解力」と「視覚的注意力」がどちらも向上しました。
そして、その効果は1時間近く続きました。
子どもが運動をすると何が良くなるのか?
現時点では、4歳から18歳までの子どもが運動すると、ほぼすべての認知機能が高まることが判っています。
複数の作業を並行して行うことや、ワーキングメモリー、集中力、決断力といった能力がすべて向上することが判っています。
とりわけ運動と相関性が強かったのは、「論理的思考力」と「言語の理解力」でした。
この2つに係わっている部位は、海馬と前頭葉です。
運動をすることでストレスにも強い子どもに
フィンランドでは、小学校2年生を対象にストレスと活動量の関係を調査しています。
時間制限を設けた計算や人前でのプレゼンテーションを行わせました。
その結果、毎日たくさん歩いていた子どもは、あまり歩かなかった子供に比べてストレスを感じにくく、精神状態も安定していたという結果が出ました。
子ども達の血液中のコルチゾール(ストレスが掛かったときに分泌されるホルモン)の濃度を測ってみると、良く歩いていた子どもは、あまり歩いていない子供に比べて少なかった。
少ないという事は、ストレスの感じ方が少なかったという事を示しています。
子どもに運動をさせるには?
今の子供たちの遊びは、家の中でテレビゲームやスマフォゲームばかり。運動でも子どもにとっては楽しい遊びでなくてはいけません。
あなたのためのトレーニングだからといってつまらないメニューをこなしているだけでは、ストレスになってしまい脳の成長する環境を悪くしてしまいます。
一番いいのは、子どもに選ばせることです。でも一人ではできません。
学校では、中休みや昼休みに校庭で遊ぶように先生が子ども達をおだててほしいところです。
学校から帰った後は、理想としては友達同士で集まって外遊びをしてくれれば最高です。
友達はゲームばかりで集まらないのが現状ですね。それなら家族で運動しましょう。
子どもを運動させるには『家族鬼ごっこ』
「家族鬼ごっこ」です。
一軒家であれば、家の中でもできます。
マンションなら小さな公園や広場が近くにあるはず。
夜でも朝でもいいです。
フィンランドの調査では、20分の運動量で、効果が出ます。
特に効果が出た運動は、40分以上の息がかなり切れる運動‐心拍数が150回/分でした。
脳の成長は1秒ごとなので、毎日できれば最高ですが、出来るだけ多く運動する事です。
幼児の場合は、大好きなおもちゃやぬぐるみを親が持って逃げて追いかけさせるようにして鬼ごっこをしましょう。
小学生の場合、「えー、詰まんない」というのなら
最初は、報酬系を刺激するために餌をぶら下げてください。
いつも報酬を得られるだけでは、報酬が無ければやらないとなってしまいます。
ルールを作ったりない難易度を上げたりしてミッションが成功しなければ、報酬が得られないことも必要です。
家族鬼ごっこの中だけでも、脳の広範囲の部分のやり取りを使うことになります。
楽しく大騒ぎしながら家族鬼ごっこをすることが脳の成長につながっていくはずです。
参考文献:アンデシュ・ハンセン著「運動脳」