【境界知能でも勉強はできる?】効果的な取り組み方やサポート方法をプロが解説!
「境界知能を持つ子どもでも、学校の勉強ができるか不安」
「境界知能と勉強の関係性について知りたい」
境界知能を持つ子どもを抱えている保護者の方の中には、このように考えている方も多いのではないでしょうか。
平均的なIQよりも値が低いことを示す境界知能は、子どもの学習に少なからず影響を与えることがあります。
そこで今回は、境界知能を持つ子どもでも勉強ができるのかという部分に焦点を当て、子どもが勉強を嫌がる原因や保護者がサポートする方法などをご紹介します。
また、子どもブレイン バランスセンターでは、境界知能を持つ子どもへのサポートを行っています。
「子どもが勉強ができるかどうか不安」「症状やサポート内容について相談したい」という保護者の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
境界知能の確認については「【境界知能のチェック】具体的な確認手順や診断方法、サポート内容をプロが解説!」にて解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!
境界知能でも勉強はできる?
境界知能を持つ子どもは、勉強はできるのでしょうか。
特に幼少期の子どもの場合は、学校の教育も始まったばかりで、勉強できる、あるいはできない場合の判断が難しいことも多々あるでしょう。
子どもが勉強が苦手だったとしても、それが境界知能によるものなのか、単に成績が悪いだけなのかが分からない場合もあるでしょう。
結論から述べると、境界知能を持つ子どもでも、勉強はできる場合があります。
ご存知の通り、境界知能とはIQが約70〜84の間の状態を指す言葉です。
そのため、周囲の子どもたちと比較するとIQは低いが、勉強はできるという場合も多くあるのです。
実際に、境界知能を抱えている子どもでも、学校のテストなどで高い点数を取っている学生の例も多くあります。
境界知能を持つ子どもが勉強ができない場合でも、単に勉強自体が苦手というケースもあるため、安易に「境界知能によって勉強ができない」と判断するのは誤りです。
また、境界知能を持つ子どもの特徴については「【境界知能を持つ子どもの特徴とは?】具体的な症状や向き合い方をプロが解説!」にて解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!
境界知能とは?勉強との関係性について
次に、境界知能と勉強の関係性についてご紹介します。
前述したように、境界知能を持つ子どもでも、勉強はできるというケースも多くあります。
しかし、それとは逆に境界知能による症状が原因で勉強に支障が出るという場合もゼロではありません。
前述したように、境界知能とはIQが約70〜84の間の状態を指す言葉です。
しかし、境界知能と判断される子どもでも、発達障害や知的障害の子どもが抱える症状を感じてしまうことがあります。
発達障害には、add(注意欠如多動症)や学習障害、ASD(自閉スペクトラム症)などが含まれ、それぞれ症状や勉強に対する影響が異なります。
境界知能を持つ子どもでも、これらの症状を抱えている場合は、間接的に勉強に対して悪影響が出ている可能性があります。
つまり、境界知能を持つ子どもが勉強ができるか否かについては、それぞれの子どもが抱える症状によって異なると言えるでしょう。
境界知能を持つ子どもが勉強を嫌がる原因と理由
本項目では、境界知能を持つ子どもが勉強を嫌がる原因や理由について、以下の6つをご紹介します。
- 多動性や衝動性、不注意による影響
- 学習障害による影響
- 認知力や記憶力による影響
- 対人関係が苦手であることによる影響
- 過去の失敗やトラウマによる影響
- 学習環境よる影響
子どもが日常生活でこれらの症状を感じている場合は、少なからず勉強に影響が出ている場合があります。
また、境界知能を持つ子どもができないことについては「【何ができない?】境界知能を持つ子どもの苦手分野や向き合い方をプロが解説!」にて解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!
【関連記事】
・【境界知能を持つ女性の特徴とは?】男性との違いや向き合い方について詳しく解説!
① 多動性や衝動性、不注意による影響
境界知能を持つ子どもが勉強を嫌がる原因や理由の1つ目は「多動性や衝動性、不注意による影響」です。
小学校以降の学校での勉強では、定められた時間で授業を受けることが一般的です。
45分〜50分程度の間、椅子に座り続けて授業を聞いているようなことも多々あるでしょう。
しかし、多動性や衝動性、不注意を感じている子どもの場合は、長時間椅子に座り続けたり、先生の言葉を聞き続けることが難しいと感じることがあります。
そのような場合は、集中力が途切れてしまい、勉強にも支障が出てしまいます。
② 学習障害による影響
2つ目は「学習障害による影響」です。
境界知能を持つ子どもは、学習障害の症状を抱えることで、読み書きや計算などに対して抵抗を感じる場合があります。
学習障害による勉強への影響は人によって様々ですが、聞くことや話すこと、読み書き、計算、推論など、特定の分野のみ苦手意識を感じることもあります。
また、学習障害による影響は、子どもの勉強に対する自信や意欲を低下させる要因となります。
③ 認知力や記憶力による影響
3つ目は「認知力や記憶力による影響」です。
発達障害の症状の中には、認知力や記憶力が周囲と比較して弱くなるような症状もあります。
学校の科目の中には、数学や社会など、少なからず暗記しなければならない科目も多くあり、認知力や記憶力が重要となる場面も多くあります。
しかし、認知力や記憶力が弱い場合、九九や四則演算のルールを覚えることができない、覚えておくべき単語をすぐに忘れてしまうなどといったことが起こってしまいます。
このような場合は、単に記憶が苦手であることが原因で、勉強ができないという評価を受けてしまうこともあります。
④ 対人関係が苦手であることによる影響
4つ目は「対人関係が苦手であることによる影響」です。
境界知能を持つ子どもは、対人関係を築くことが苦手な場合があります。
対人関係が苦手と感じてしまうと、授業で行われるグループ学習や協働作業などで、コミュニケーションがうまくいかなくなってしまいます。
また、気になることや分からないことがあっても、友達や先生に質問できないというケースもあるでしょう。
このような場合は、本来は勉強ができるのに、分からない問題の解決ができないことで、学習についていけなくなってしまうこともあります。
⑤ 過去の失敗やトラウマによる影響
5つ目は「過去の失敗やトラウマによる影響」です。
境界知能を持つ子どもは、過去の勉強でつまずいた経験などから、勉強に対する苦手意識やトラウマを持ってしまうことがあります。
また、失敗を恐れるあまり、新しいことへの挑戦を避けるようになったり、勉強に対する意欲を失ってしまうこともあるでしょう。
⑥ 学習環境よる影響
6つ目は「学習環境による影響」です。
教室や塾、家庭での学習環境は、学校や先生、家庭の事情によっても大きく異なります。
そんな中、境界知能を持つ子どもはあらゆる環境に適応することができる訳ではなく、指導方法や教材、周囲の理解不足によって、勉強が妨げられている可能性があります。
勉強ができる、できない以前に、まずは子どもにとって最適な学習環境を整えることが、まずはじめに行うべき取り組みと言えるでしょう。
境界知能を持つ子どもの勉強をサポートする方法
最後に、境界知能を持つ子どもの勉強をサポートする方法について、以下の5つをご紹介します。
- 勉強が楽しいということを理解させる
- 勉強に最適な環境を整える
- ゲーム要素や遊びの感覚を利用する
- 日常生活の中で学ぶ機会を作る
- 強みを活かした学習方法を取り入れる
境界知能によって勉強に影響が出ていると感じた場合は、ぜひこれらの内容を意識してみてください。
これらの内容を実践して子どもの苦手分野を克服することができれば、徐々に勉強ができるようになっていくでしょう。
① 勉強が楽しいということを理解させる
境界知能を持つ子どもの勉強をサポートする方法の1つ目は「勉強が楽しいということを理解させること」です。
境界知能を持つ子どもに限らず、勉強はつまらないものと感じている子どもは多くいます。
そんな中、境界知能によって他の子どもよりも勉強ができないような状態が続いてしまうと、不安が募ったり、自信喪失に繋がってしまいます。
そのため、まずは子どもに対して、新しい発見やスキルの習得によって得られる喜びを体験させ、勉強に対するポジティブなイメージを育てていくことが大切です。
子どもが「勉強がつまらないもの」という考え方を払拭することができれば、徐々に取り組み方も変わり、勉強ができるようになるでしょう。
② 勉強に最適な環境を整える
2つ目は「勉強に最適な環境を整えること」です。
前述したように、境界知能を持つ場合、子どもによっては学習環境に抵抗感を感じている場合もあります。
静かで落ち着いた学習スペースを求める場合もあれば、気軽に疑問を解消することができる環境を求めることもあるでしょう。
まずは子どもに寄り添い、どのような環境でどのような苦手意識を抱えているのかを把握することが重要です。
③ ゲーム要素や遊びの感覚を利用する
3つ目は「ゲーム要素や遊びの感覚を利用すること」です。
勉強にゲーム要素や遊びの感覚を取り入れることで、子どもの学習意欲を高めることもできます。
学習内容をクイズやパズルなどの形式で提示し、楽しみながら学べるようにすることで、勉強を勉強と捉えずに、取り組むことができるようになります。
インターネットで小学生向けの勉強用ゲームを探しても良いですし、お店に行けば頭の体操となる玩具のようなものも販売されているでしょう。
また、達成感を味わえるよう、小さな目標を設定し、報酬を与えるのも効果的です。
④ 日常生活の中で学ぶ機会を作る
4つ目は「日常生活の中で学ぶ機会を作ること」です。
ゲーム要素や遊びの感覚を利用することとも少し似ていますが、日常生活の中で勉強に繋がるような内容に触れることも1つの手です。
買い物や料理など、日常の活動を通じて数字や言葉に触れる機会を作ると良いでしょう。
また、図書館や博物館など、学びにつながるような場所に出かけるのも良い方法です。
⑤ 強みを活かした学習方法を取り入れる
5つ目は「強みを活かした学習方法を取り入れること」です。
前述したように、境界知能を持つ子どもは、一部の分野における勉強が苦手であっても、その他の分野であれば難なく取り組むことができるケースもあります。
そのような場合は、子どもの得意分野や強みに焦点を当て、そこから学習を広げていくことも可能です。
創造性や感性を生かせる表現活動を取り入れたり、体を動かしながら学ぶ方法など、子どもの得意不得意を考えた上で最適な方法を考えると良いでしょう。
境界知能と勉強に関する「よくある質問」
Q, 境界知能でも、勉強ができることはありますか?
A, はい、あります。境界知能は、あくまでもIQの値を示す言葉であり、必ずしも特別な症状や病気を指す言葉ではありません。つまり、例え境界知能という特徴を持っていたとしても、必ずしも勉強ができないという訳ではありません。
Q, 境界知能を持っている場合、勉強に支障が出ることはありますか?
A, はい、あります。境界知能を持つ子どもの場合、複雑な思考が苦手だったり、他人とコミュニケーションを取ることに抵抗を感じてしまう場合があります。しかし、幼少期の勉強に対する姿勢や成績は、単に学力や個性が影響している可能性も十分に考えられるため、子どもとしっかりとコミュニケーションを取ることが重要です。
Q, 境界知能を持つ子どもに、勉強を効率的に教える方法はありますか?
A, まずは、境界知能を持つ子どもの特徴や苦手分野、そして得意分野について正確に把握することが重要です。勉強環境や具体的な方法について、子どもと一緒に考え、子どもにとって最もストレスが少ない環境や方法で勉強に向き合うことが最優先です。また、日常生活における家族との会話の中で、自然と勉強の要素に触れさせてあげることも大切です。
工夫次第で勉強はできるようになる
いかがでしたでしょうか。
今回は、境界知能と勉強に焦点を当て、境界知能を持つ子どもは勉強はできるのか、そして勉強に苦手意識を感じる原因や背景などをご紹介しました。
冒頭でもご紹介した通り、境界知能を持つ子どもの中にも、問題なく勉強はできる子どももいれば、一部の分野における学習が苦手と感じる子どももいます。
ただし、重要なのは境界知能を持つ子どもが勉強ができるかどうかではなく、「勉強が苦手と感じる子どもに対して保護者や周囲の人がどう向き合うのか」です。
境界知能を持つ子どもの保護者の方は、ぜひ本記事の内容を参考にして、子どもと向き合ってみてください。
境界知能のご相談は、子どもブレイン バランスセンターへ
子どもブレイン バランスセンターでは、境界知能を持つ子どもをはじめ、発達障害や知的障害を持つ子どもへのサポートを行っています。
ブレインバランスセラピーやカイロプラクティック療法など、子どもたちの症状や状況に合わせた最適なアプローチも行っているので、境界知能などの症状にお困りの方はぜひお気軽にご相談ください!