学習障害(LD)
2024年01月30日

【算数障害とは?】治し方や対策が重要|具体的な症状についても徹底解説!

子供が抱えている算数障害について詳しく理解したい

算数障害を抱える子供への適切な向き合い方や治療法を知りたい

算数障害を抱えている方、あるいは算数障害や学習障害を抱えている子供の親御様の中には、このような悩みを感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、算数障害に関する悩みを抱えている方に向けて、具体的な症状や向き合い方、適切な治療方法などについて詳しくご紹介します。

 

算数障害とは?

まずはじめに、算数障害の概要について簡潔にご紹介します。

算数障害(ディスカリキュア)とは、学習障害の一種であり、計算や数字に基づく推論など、基本的な算数スキルや概念を習得するのに難しさを感じる状態を指します。

国語や社会などの他の科目に対する学習能力は全く問題が無いにも関わらず、簡単な計算や九九などの暗記に難しさを感じるという状態から、算数障害という名前が付けられています。

小学生で習うような初歩的な学習についても困難を伴う算数障害は、学校で受ける算数のテストや成績などによって発覚するケースが多く、逆に言えば就業前の幼稚園に通う段階などで気が付くことは難しいと言えます。

子供が算数障害を発症する確率はおよそ6%程度と言われており、学校の40人のクラスであれば、1人〜2人程度が算数障害である可能性があります。

また、ほとんどの場合は子供の頃に症状が発覚することが多いとされていますが、大人になってから初めて算数障害や学習障害と診断される事例もあり、実際に社会人となってから仕事などへの違和感がきっかけで医師に相談するケースも存在します。

 

算数障害の原因について

次に、算数障害の原因についてご紹介します。

結論から述べると、算数障害を含む学習障害の明確な原因については、現在でも特定されていません。

しかし、有力視されている要因としては、神経回路の機能的な問題や、言語能力や脳のワーキングメモリ (情報を記憶し処理する機能を果たすもの) における問題などが挙げられています。

一方で、算数障害では、合併症として「読字障害 (文字への理解や発音における障害) 」や「ADHD (発達障害の一種) 」などの症状を抱える場合もあり、これらの障害による脳への影響が間接的に算数障害を引き起こしているという考え方も存在します。

また、計算や数の処理を行う際には、特に右脳の働きがしっかりと作用することが重要であることも分かっており、右脳機能の低下が、結果として計算に対する難しさを感じさせる要因となるケースもあります。

幼少期のうちから右脳を正しく発達させるためには、定期的に運動をして体を動かすこと新しい価値観に触れることなどが非常に重要なので、算数障害の予防という観点においては、そのあたりの意識も重要と言えるでしょう。

 

算数障害症状の種類について

算数障害は、「一般的な算数に基づく思考に困難を抱える状態である」と簡単に説明することが出来ますが、実際にはそれぞれの症状に共通点が存在します。

本項目では、算数障害の症状について、その種類と特徴について以下の4つをご紹介します。

  1. 計算に関する症状
  2. 数の概念に対する症状
  3. 数処理に対する症状
  4. 推論に対する症状

計算に関する症状

1つ目は「計算に対する症状」です。

計算とは、その名の通り、基本的な加減乗除の四則演算を指します。

一般的な計算方法には主に、頭の中で行う暗算と、紙や黒板などに数字を書いて順序立てて答えを導き出す方法があります。

算数障害を抱えている場合、これら双方の計算方法に対して抵抗を感じることがあり、簡単な計算法則や九九を暗記することが出来ないことや、数字の桁などが正確に理解出来ないこと などが起因しています。

数の概念に対する症状

2つ目は「数の概念に対する症状」です。

数の概念とは、各場面における「数の性質」を指し、一般的な共通認識として「2」が「1」よりも大きい数字であることや、数字自体に自然数や少数などの表現方法があること などが挙げられます。

これらの数の概念に対する理解が難しい場合、特定の場面で物の数を数えることが出来なかったり、時計が示す時間を正確に理解することが出来ないなどの症状が現れます。

数処理に対する症状

3つ目は「数処理に対する症状」です。

数処理とは、数字を認識した上で、解釈して使用することを指します。

算数障害の症状は数処理にも影響を与えることがあり、具体的な例としては、正しく数字を認識して書くことが出来なかったり、数の大小が分からないといった状態が挙げられます。

推論に対する症状

4つ目は「推論に対する症状」です。

推論に対する症状として最もイメージしやすい例としては、算数の文章問題や図形が理解出来ない状態が挙げられます。

算数の文章題を解くためには、文章を理解し、どのように数字を駆使して答えを導き出すのかを考える必要があります。

しかし、算数障害を抱えている場合は、文章自体が理解出来なかったり、簡単な文章問題であってもどのように考えて解けば良いかが分からないことがあります。

また、図形や表、グラフなどを視覚的に理解することが出来ないといった症状も見られます。

 

算数障害の具体的な症状について 〜他の子供や大人との違い〜

本項目では、前項目でご紹介した分類に基づいた算数障害の具体的な症状の例についてご紹介します。

子供と大人に見られる算数障害の症状には、それぞれ以下のような例が挙げられます。

【子供の算数障害の症状例】

  1. 年齢相応の簡単な計算問題が解けない
  2. 九九を暗記することが出来ない
  3. 図形を正確に認識することが出来ない
  4. 算数の文章問題で、問われている内容が理解出来ない
  5. 文章をもとに、計算式を組み立てることが出来ない
  6. 数の順序や大小が理解出来ない

【大人の算数障害の症状例】

  1. 数字を土台とした大まかな予測が出来ない
  2. お釣りや割り勘などの計算が出来ない
  3. 耳で聞いた数字を正しく表記することが出来ない
  4. 時計が読めない

これらの症状が頻繁に感じられた場合には、算数障害を抱えている可能性があるため、専門の医師に相談したり、診断を行うことをオススメします。

 

算数障害に気付いた際の確認方法について

次に、算数障害の症状を感じた際の適切な確認方法についてご紹介します。

テストの点数や成績をきっかけに子供の算数障害の可能性を感じた場合には、まずは子供に寄り添って勉強に対してどのように感じているのかを聞き出すことが重要です。

算数障害をはじめとした学習障害は、本人の意思とは関係なく学習に対するスキルが不足している状態であるため、明確な理由や原因が分からない子供にとっては、大きなストレスとなっている場合があります。

まずは子供と状況や心境について相談し、その上で算数障害を確める手段には、大きく分けて以下の2つの方法があります。

  1. 専門機関や医師に相談する
  2. 知能テストを受ける

それぞれの手段について、簡潔にご説明します。

専門機関や医師に相談する

1つ目は「専門機関や医師に相談する」方法です。

算数障害や学習障害などの診断を行う際は、やはり専門知識を持つ医師などに相談することが一番です。

子どもブレイン バランスセンター」にも、算数障害をはじめとした子どもが抱える症状についての知見を豊富に持った院長や精神保健福祉士が在籍しているので、ぜひお気軽にご相談ください。

他にも、相談先としては、近くの病院(精神科/小児神経科)やスクールカウンセラー、発達障害者支援センターなどがあります。

知能テストを受ける

2つ目は「知能テストを受ける」方法です。

算数障害や学習障害は、インターネット上で受けることが出来る知能テストなどによっても確認/診断することが出来ます。

インターネットで検索して上位に表示されるような簡易的なチェックリストやテストなどもあれば、「WISC-IV知能検査」や「田中ビネー知能検査Ⅴ」といった、複数の数値指標をもとに診断を行うような本格的なものも存在します。

医師などに相談する程では無いけど、算数障害や学習障害の確認を手軽に行いたいという方は、ぜひ一度インターネット上で検索してみてください。

 

算数障害の治療法や医師との相談について

次に、算数障害の治療法や医師との相談についてご紹介します。

子どもからの相談や知能テストなどによって算数障害の症状を感じた場合には、専門知識を持つ医師に相談することが重要です。

多くのサポート実績を持つ医師に相談することで必ず算数障害が完治する訳ではありませんが、いくつかの効果的なアプローチによって、徐々に症状を緩和させることは可能です。

本項目では、専門知識を持つ医師が取り組むことが出来る、算数障害の具体的な治療方法について、以下の2つをご紹介します。

  1. カイロプラクティック療法
  2. TMS治療

本項目でご紹介している治療方法は、主に算数障害に焦点を当てたものであり、発達障害などの合併症や、ストレスなどによる鬱や不安症状などについては、他にも適切な治療方法がいくつか存在するので、担当の医師に確認してみると良いでしょう。

また、家庭や周囲の人が簡単に取り組むことが出来る、算数障害を抱える子どもへの向き合い方については、次項目で解説しているので、ぜひそちらもご覧ください。

カイロプラクティック療法

1つ目は「カイロプラクティック療法」です。

カイロプラクティック療法とは、手技による調整を中心とした治療法で、特に背骨や関節の機能障害を改善し、全体的な身体の健康を促進することを目的としています。

特に、算数障害を含めた学習障害や発達障害などの症状は、神経系の過敏な反応や発達上の問題が原因となっていることが有力視されています。

これらの神経系の機能と密接に関わる骨や関節を丁寧に調整するカイロプラクティック療法は、算数障害などの症状に対して間接的に良い効果をもたらすと考えられています。

また、カイロプラクティック療法は骨や神経の働きを改善するだけでなく、姿勢や睡眠、栄養などについて考える生活サポートも行なっており、精神的な症状や健康面における予防医学としても利用されています。

子どもブライン バランスセンターでは、カイロプラクティック療法に関する豊富な経験と深い知見を持つ院長が、算数障害や発達障害といった症状に対するサポートを行っているので、気になる方はぜひお気軽に「お問い合わせ」にてご相談ください。

TMS治療

2つ目は「TMS治療」です。

TMS治療とは、脳に電気刺激を与えることで神経伝達を改善させる治療方法であり、算数障害によって引き起こされる鬱や不安感情などの二次障害に適切なアプローチの一つです。

私たちの脳では、「ニューロン」と呼ばれる神経細胞がいくつも連なって情報伝達が行われており、これらのニューロンの繋ぎ目に電気信号を流すことで、神経伝達を正常な状態に近づけることが出来ます。

そんなTMS治療は、薬物治療によって起こる副作用が無い点や保険が適用されるという点からも一般的に認められた治療方法ですが、医療機関や病院によっては専用の機器を導入していない場合も多いので、対象の施設に確認してみることをオススメします。

 

算数障害を持つ子供への向き合い方について

最後に、算数障害を持つ子どもへの向き合い方についてご紹介します。

前述したように、算数障害は本人の意思とは関係無しに起こる脳機能の問題であり、症状を抱えている本人は、人並み以上にストレスや不安感情を感じてしまっている場合が多くあります。

そんな中、算数障害の症状を少しでも緩和させ、子どもが抱えるストレスなどの感情を取り除くためには、家庭環境や周囲の人たちの接し方が非常に重要です。

本項目では、算数障害を持つ子供への向き合い方について、以下の3つをご紹介します。

  1. 算数障害を持つ子供と向き合い理解を深める
  2. 算数障害による影響を咎めない
  3. 学習方法を工夫する

算数障害を持つ子供と向き合い理解を深める

1つ目は「算数障害を持つ子供と向き合い理解を深める」ことです。

算数障害は、子どもによって具体的な症状が様々であり、同じ算数や数の捉え方においても得意/不得意な分野が異なります。

そんな算数障害と正しく向き合うためには、子どもとしっかりとコミュニケーションを取り、どのような部分に難しさを感じているのかや、どのような感情を抱いているのかを理解することが重要です。

場合によっては、子どもとのコミュニケーションにとどまらず、専門機関や医師からの助言をもらうことも視野に入れてみると良いでしょう。

算数障害による影響を咎めない

2つ目は「算数障害による影響を咎めない」ことです。

本項目での冒頭でも述べた通り、算数障害の症状が現れることは本人のせいではありません。

算数障害を抱える本人の意思とは関係の無い部分を無闇に注意しても、解決に繋がるどころか、子どものストレスや不安は高まってしまいます。

出来ないことは認め、算数や数の扱い以外の部分で子どもが得意とする分野について注目し、褒めてあげることが大切です。

学習方法を工夫する

3つ目は「学習方法を工夫する」ことです。

子どもが算数障害を抱えている場合、算数の勉強や理解において必ずしも周りの子どもと全く同じ方法を取る必要はありません。

算数における不得意分野にも寄りますが、時には計算機を使ったり、図や表などの視覚的に理解出来る手段を通して、算数への理解を促進させることも重要です。

また、算数的な考え方や数に対しての抵抗を徐々に和らげるため、日常生活の中で数を意識させる習慣を身に付けることも、効果的な手法と言えるでしょう。

 

算数障害を治すためには環境と向き合い方が大切

いかがでしたでしょうか。

本記事では、主に子どもが抱える算数障害について、具体的な症状や治療方法、適切な向き合い方などをご紹介しました。

一般的に算数障害が発覚する6歳〜12歳までの年齢は、子どもにとって精神的にも未熟な期間であり、身の回りの環境や周囲のサポートが非常に重要なタイミングです。

算数障害の症状を感じた際には、子どもにしっかりと寄り添い、向き合ってあげることが重要です。

また、前述した通り、子どもブレイン バランスセンターでは、アメリカやカナダで自然治療として認められているカイロプラクティック機能神経学に精通した院長と共に、算数障害を持つ患者に寄り添って治療を行う環境を用意しています。

算数障害について実際に話して理解を深めたい、適切な治療方法や向き合い方について助言が欲しいと考えている方は、是非お気軽に「お問い合わせ」からご相談ください。