発達障害
2024年08月31日

【ADHDを抱える子どもの特徴とは?】確認する方法や子どもへの接し方をプロが解説!

ADHDを抱える子どもの特徴について知りたい

ADHDを抱える子どもへの正しい接し方や向き合い方について、プロからの意見が欲しい

ADHDを抱える子どもの保護者の方の中には、このように考えている方も多いのではないでしょうか。

注意欠如多動症(ADHD)は、子どもの成長過程や環境に大きく影響する可能性があるため、本人が抱える特徴や向き合い方について保護者が理解しておくことは非常に重要です。

そこで今回は、注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもの具体的な特徴や症状、子どもへの向き合い方などについてご紹介します。

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもについてより深く理解したいという方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。

注意欠如多動症(ADHD)とは?

まずはじめに、注意欠如多動症(ADHD)について簡潔にご紹介します。

注意欠如多動症(ADHD)とは、過度の衝動性や多動症、注意力の欠如などの症状を指す言葉で、発達障害の一種です。

発達障害には、注意欠如多動症(ADHD)以外にも限局性学習症(SLD)と自閉スペクトラム症(ASD)があります。

注意欠如多動症(ADHD)は、1987年頃までは注意欠陥障害(ADD)という診断名で認識されていた過去もあるため、これらの言葉を混合して理解してしまっている人も多いかと思います。

しかし現在では、注意欠陥障害(ADD)は注意欠如多動症(ADHD)に包含され、医療機関による診断の際にも注意欠如多動症(ADHD)で統一されています。

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもの割合

次に、注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもの割合についてご紹介します。

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもの割合については諸説ありますが、おおよその割合は学童期の子どもの3〜7%程度であると言われており、男の子の方が女の子よりも4倍程度多いとされています。

しかし、成人となるとこの割合は減少する傾向にあり、大人の中で注意欠如多動症(ADHD)と診断される方の割合はおよそ2〜3%程度であると言われています。

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもの特徴や症状

本項目では、注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもの特徴や症状について、以下の7つをご紹介します。

  1. 授業や習い事への集中に困難を感じる
  2. 整理整頓に困難を感じる
  3. 時間管理に困難を感じる
  4. 人の会話を遮ってしまう
  5. 順番待ちや列に並ぶことに困難を感じる
  6. 簡単なミスやケアレスミスを繰り返す
  7. 忘れ物が多い

 

① 授業や習い事への集中に困難を感じる

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもの特徴や症状の1つ目は「授業や習い事への集中に困難を感じること」です。

授業や習い事に限らず、集中力が維持できないという症状は、注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもの代表的な特徴です。

授業中、教師の話を聞いているつもりでも、途中で窓の外の景色や教室内の些細な動きに気を取られてしまいます。

また、興味のない題材や複雑な内容に直面すると、さらに集中力が低下することもあり、自制して何かに取り組むことも難しいと感じることも多々あるでしょう。

 

② 整理整頓に困難を感じる

2つ目は「整理整頓に困難を感じること」です。

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもは、自分のものを整理したり片付けたりすることが苦手な傾向にあります。

その結果、学校のロッカーや自宅の部屋が常に散らかっている状態になりがちです。

 

③ 時間管理に困難を感じる

3つ目は「時間管理に困難を感じること」です。

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもは、時間の感覚が曖昧で「時間が飛ぶように過ぎる」と感じることがあります。

時間管理が疎かになってしまうことで、朝の準備に予想以上に時間がかかってしまったり、学校などに遅刻してしまうということも多々あるでしょう。

 

④ 人の会話を遮ってしまう

4つ目は「人の会話を遮ってしまうこと」です。

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもは、その特徴として衝動性にかられることがあり、他人の話の最中に遮ってしまったり、不適切なタイミングで発言してしまったりすることがあります。

これは、思いついたアイデアや言いたいことを即座に表現したいという強い衝動が原因です。

幼少期の子どもであれば、単に無礼や育ちの悪さ、として片付けられることもありますが、あまりにもこのような症状が続くと、友達からの印象も悪くなってしまいがちです。

 

⑤ 順番待ちや列に並ぶことに困難を感じる

5つ目は「順番待ちや列に並ぶことに困難を感じること」です。

前述したように、注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもは、衝動性や多動症を抱えているため、じっとしていることが苦手と感じる傾向にあります。

そのため、学校の給食列や遊具の順番待ちや、全校集会などの場面でじっとしていることが非常に困難に感じてしまいます。

その結果、我慢できずに列から抜け出したり、他の子を押しのけたりする行動に繋がることがあります。

 

⑥ 簡単なミスやケアレスミスを繰り返す

6つ目は「簡単なミスやケアレスミスを繰り返すこと」です。

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもは、学校の授業や塾の講義などの場面に限らず、あらゆる状況において細部に注意を払い続けることに困難を感じます。

例えば、算数の問題で計算は正しくても符号を見落としたり、問題文を最後まで読まずに解答したりするといった行動が見られます。

 

⑦ 忘れ物が多い

7つ目は「忘れ物が多いこと」です。

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもは、必要なものを思い出したり、それらを確認しながら準備することに困難を感じます。

その結果、学校に行く際に教科書や宿題を忘れたり、習い事の道具を持参し忘れたりすることが頻繁に起こります。

忘れ物の多さは、学校生活や課外活動に大きな支障をきたし、教師などからの叱責を招くこともあります。

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもへの接し方

次に、注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもへの接し方について、以下の4つをご紹介します。

  1. 理解と共感を意識する
  2. 苦手なことをサポートする
  3. 最適な学習環境を用意する
  4. 安心できる環境を用意する

 

① 理解と共感を意識する

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもへの接し方の1つ目は「理解と共感を意識すること」です。

これは、単に子どもの行動を許容するということではなく、その行動の背景にある子どもの考えを深く理解し、日々直面している困難を認識するということです。

本記事でもご紹介した注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもの特徴や症状は、本人が意図的に行っているものではなく、それゆえに周りからの叱責や避難の声も本人にとってはストレスになってしまいます。

そのため、子どもにとって保護者からの理解や共感は非常に大切なものであり、自己肯定感を高めるきっかけにもなります。

子どもにとって少しでも安心できる環境を提供できるよう、保護者が努力することが重要です。

 

② 苦手なことをサポートする

2つ目は「苦手なことをサポートすること」です。

本記事でもご紹介した通り、注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもは、日常生活や学校生活における様々な場面で様々な困難を抱えています。

これらの症状は、本人が意識してもやむを得ない側面もあり、保護者をはじめとした周囲の人たちからのサポートが欠かせません。

予定や時間の管理、忘れ物の確認など、本人に寄り添って保護者がサポートできる部分は、積極的に助けてあげることが重要です。

 

③ 最適な学習環境を用意する

3つ目は「最適な学習環境を用意すること」です。

子どもが注意欠如多動症(ADHD)を抱えていると言っても、幼少期の勉強や教育が重要であることに変わりはありません。

授業に集中したりケアレスミスを繰り返してしまうことは仕方の無いことですが、子どものストレスや勉強に対する嫌悪感を取り除き、少しでも学習意欲を掻き立てることは、保護者の最大の責任です。

子どもの苦手分野や得意とすることをしっかりと理解し、最適な方法と手段で子どもの学習をサポートすることが重要です。

注意欠如多動症(ADHD)に関するご相談は、子どもブレイン バランスセンターへ

いかがでしたでしょうか。

今回は、注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもの特徴や症状、保護者が意識すべき接し方などをご紹介しました。

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもには、本記事でご紹介したような様々な症状がみられますが、幼少期であるという理由から、単に子どもの個性として片付けられてしまうことも多々あります。

それによって、子どもがさらにストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。

既に何度も述べている通り、注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもの保護者にとって重要なのは、子どものが持つ特徴や特性を正確に理解し、しっかりと向き合ってサポートすることです。

また、子どもブレイン バランスセンターでは、注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもに関するご相談をいつでも受け付けています。

注意欠如多動症(ADHD)を抱える子どもに関するお悩みを抱えている際は、ぜひお気軽にご相談ください。