2024年02月18日

神経発達症とは?その特徴と範囲から発達障害との違いまで【治る?】

子どもの行動や学習に関してお悩みを持っていませんか?

もしかしたら、神経発達症が原因かもしれません。

実際に当院では、上記のようなお悩みを多くのご家族から相談されています。

神経発達症は放置すると、子どもの将来に大きな影響を及ぼす可能性があります。

そこでこの記事では、神経発達症の範囲、特徴、治療可能性について解説します。

子どもの能力を最大限に引き出すサポートができれば幸いです。

神経発達症とは

神経発達症は、脳の働き方の生まれつきの違いにより、乳幼児期から認知や行動面に特徴が現れる状態を指します。

これは、一般的に「発達特性」と呼ばれ、発達障害よりも広い範囲を指す言葉です。

神経発達症には、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)など、多様な状態が含まれます。(後ほど詳しく解説します。)

二次障害について

神経発達症(発達障害)を持つ人は、症状への理解が周囲から得られないことにより、二次障害を発症するリスクがあります。

これは、家族や社会からの注意、非難、叱責を繰り返し受けることで自信を失い、うつ病、不安障害、ひきこもりなどの別の問題が生じる状態を指します。

このような二次障害は、前述したとおり一次障害である神経発達症の特性に対する理解不足や、それに伴うストレスフルな経験が原因で生じます。

たとえば、社会的コミュニケーションに困難がある自閉スペクトラム症(ASD)の人が、孤独感や疎外感からうつ病を発症することや、注意欠如・多動性障害(ADHD)の人が、学業や職場での成果に向けた努力が自己肯定感の低下や不安を引き起こすことがあります。

神経発達症の理解は、個人の特性をしっかrと認識し、適切なサポートを提供することが重要です。

正しい理解が二次障害のリスクを減少させます。

神経発達症の範囲

神経発達症は、脳の発達に関わる広範な障害を含むカテゴリーで、乳幼児期から現れる認知や行動の特徴によって定義されます。

このグループには、さまざまな状態が含まれ、それぞれが特有の課題を持っています。

以下からひとつずつ解説します。

  • ADHD(注意欠如・多動症)
  • 知的能力障害群(ID)
  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • 限局性学習症(SLD)
  • コミュニケーション症群(CD)
  • 発達性協調運動症(DCD)

ADHD(注意欠如・多動症)

ADHD(注意欠如・多動症)は、集中力の欠如、過剰な活動、衝動的な行動が特徴で、学業や日常生活に影響を及ぼすことが多いです。

知的能力障害群(ID)

ID(知的能力障害群)は、一般的な知能指数(IQ)が平均よりもかなり低いことと、日常生活のスキルにおける顕著な制限によって特徴づけられています。

自閉スペクトラム症(ASD)

ASD(自閉スペクトラム症)は、社会的コミュニケーションと相互作用における困難、繰り返しの行動や興味の狭さが特徴です。

限局性学習症(SLD)

SLD(限局性学習症)は、読み書きや算数といった特定の学習領域での困難が見られ、他の能力との間に大きな差があります。

コミュニケーション症群(CD)

CD(コミュニケーション症群)は、言語の理解や使用における障害であり、会話、語彙の理解、言語の発達に影響します。

発達性協調運動症(DCD)

DCD(発達性協調運動症)は、運動技能の習得や実行に困難があり、日常生活におけるタスクや、学校の体育活動に影響を及ぼします。

これらの症状は、それぞれ異なる症状や特徴を持ちながらも、適切な支援や介入によって、これらの課題を乗り越え、個人の成長と発展を促すことが可能です。

神経発達症の特徴

神経発達症は、その診断や個々人によって多様な特徴を持ちますが、一方で多くの共通点もあります。

以下から解説する特徴は日常生活や学業、社会生活に影響を及ぼすことがあるので、適切な理解と支援が必要です。

  • 注意力
  • 社会性
  • 注意力
  • 言語の遅れ
  • こだわり

「集中できない」「段取りがくめない」「頻繁にものをなくす」「思いつきで行動してしまう」などは、特にADHDに見られる特徴です。

これらの症状は、計画立てやタスクの完了、日常生活の管理に難しさをもたらします。

社会性

「目を合わせない」「指さしをしない」「微笑みかえさない」「あとおいがみられない」「ほかの子どもに関心をしめさない」などの特徴は、自閉スペクトラム症(ASD)に典型的です。

これらは、非言語的コミュニケーションの難しさや、他者との感情的なつながりの構築に影響します。

言語の遅れ

「言葉の発達が遅い」は、コミュニケーション症群(CD)やASDに見られる一般的な特徴で、言語の習得や適切なコミュニケーション技術の発展に課題を持ちます。

こだわり

「じっと座っていられない」「こだわりが強い」などの特徴は、ADHDやASDの人に見られ、柔軟性の欠如や環境への適応に困難や課題をもたらします。

それぞれの特徴には独自の課題がありますが、適切な教育、療育プログラム、家庭や社会からのサポートを通じて、これらの個人が持つ潜在能力を引き出し、彼らが充実した生活を送ることを助けることができます。

神経発達症と発達障害の違い

神経発達症と発達障害の概念はしばしば混同されますが、両者は重要な違いを持っています。

神経発達症は、脳の働きに生まれつきの偏りがあることにより、認知や行動のパターンに特徴的な違いが生じる状態を指す広範な用語です。

これに対し、発達障害はより狭い範囲の特定の条件を指し、法律や医療の文脈で具体的な定義が用いられます。

また、神経発達症は物事の捉え方や行動パターンに違いが生じる状態全般を指し、その範囲は非常に広いです。

ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、学習障害(LD、限局性学習症)を含む多様な状態がこれに該当します。

発達障害の法的・医学的定義

発達障害は、発達障害者支援法において、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害」と定義されています。

この定義は、支援サービスや療育の提供において、誰がサポートの対象となるかを明確にするために使用されるのが一般的です。

神経発達症と発達障害の違いを理解することは、個々のニーズに合わせた適切な支援や介入を行うために非常に重要です。

特定の状態を定義づけ理解し、それに基づく支援を提供することで、影響を受ける個人やその家族が直面する課題を緩和し、生活の質を向上させることができます。

神経発達症は治る?

神経発達症(発達障害)は、病気というよりは個人の特性として捉えられます。

これは、人が生まれながらにして持つ「ものの感じ方・考え方・行動の仕方」に深く関わるものです。

そのため、これらの特性を根本的に変えることは難しいとされています。

ただ、完治という概念は神経発達症には当てはまらないものの、症状の管理や生活の質の向上を目指した支援やアプローチ法は存在します。

症状の和らげ方

前述したとおり神経発達症には、根本的な「治療法」は存在しませんが、薬物療法や生活療法によって症状を和らげ、日常生活を送りやすくすることは可能です。

薬物療法は、特にADHDなどの状態において、集中力の向上や衝動性の抑制に役立つことがあります。

生活療法には、障害への理解を深める心理教育、認知行動療法、社会的スキルを高めるソーシャル・スキル・トレーニング(SST)、カイロプラティックなどが含まれます。

これらのアプローチは、個人が自己の特性を理解し、社会的な環境に適応するためのスキルを身につけることを目的としています。

神経発達症を持つ個人が直面する挑戦は、個人の特性と社会的な環境の相互作用によって形成されます。

そのため、何度も繰り返しお伝えしているように個人に合わせた支援や介入を提供することで、これらの挑戦を乗り越え、その人らしい充実した生活を送ることが可能になります。

神経発達症の特性を「治す」ことはできないかもしれませんが、それらの特性と上手に向き合い、生活の質を向上させる方法は確実に存在します。

神経発達症に向き合い理解する

神経発達症は、個人の特性として理解し、適切な支援で生活の質を向上させることが可能です。

特に神経発達症を持つ個人の特性は、その人固有のものであり、病気や障害としてではなく、個性の一部として捉えることが重要です。

この特性を理解し、受け入れることで、本人だけでなく周囲も適切な支援や対応を行うことができるようになります。

本記事内でもお伝えしたとおり、神経発達症に対する適切な支援とは、教育、心理的介入、環境の調整、薬物療法、および生活療法など、個人のニーズに合わせた多面的なアプローチを指します。

例えば、集中力が続かない人にはタスク管理の方法を、社会的コミュニケーションが困難な人にはソーシャル・スキル・トレーニングを提供することで、それぞれが直面する挑戦を乗り越え、生活の質を向上させることが可能です。

それらアプローチの中でも、カイロプラティックによる身体のバランス調整は、神経系の機能を最適化し、身体の調整を通じて、集中力の向上、ストレスの軽減、社会的コミュニケーション能力の向上など、神経発達症に伴う様々な課題へのポジティブな効果が期待できます。

子どもブレイン バランスセンターでは、カイロプラティックを中心に、神経発達症に対する理解深め、症状を和らげる生活療法を提供しています。

院長の鈴木明弘は、日本カイロプラクティック徒手医学会元副会長として研究活動に取り組み、臨床神経学講座講師として指導も行っています。

神経発達症に関する理解を深め、子どもたちにとって最適な支援方法を見つけたいとお考えのご家族は、ぜひ子どもブレイン バランスセンターにご相談ください。

専門的な知識に基づいたアドバイスと共に、お子様が社会的、学業的に伸び伸びとお子様らしく成長・成功するためのサポートを全力で提供します。

一緒に、お子様の豊かな将来のための第一歩を踏み出しましょう。

ぜひお気軽に「お問い合わせ」にてご相談ください。