【注意欠陥障害(ADD)に効果的な薬とは?】具体的な治療薬や対処法をプロが解説!
「注意欠陥障害(ADD)に効果的な薬について知りたい」
「薬を服用で注意すべきことについて把握しておきたい」
注意欠陥障害(ADD)を抱えている方、あるいは注意欠陥障害(ADD)を抱えている子どもの保護者の方の中には、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
注意欠陥障害(ADD)は、不注意や衝動性などの症状が過度に見られる発達障害の一種で、特定の薬によって症状を抑えることができます。
そこで今回は、注意欠陥障害(ADD)への対処法や処方される薬、薬を服用する際の注意点などをご紹介します。
ただし、実際に注意欠陥障害(ADD)に作用する薬を服用する際には、医師や専門家に相談するようにしてください。
注意欠陥障害(ADD)とは?
まずはじめに、注意欠陥障害(ADD)についてご説明します。
注意欠陥障害(ADD)とは、注意力や集中力の欠如に焦点を当てられた言葉で、現在は、注意欠如多動症(ADHD = 注意欠陥障害に多動症が追加されたもの)と診断されるようになっています。
注意欠陥障害(ADD)や注意欠如多動症(ADHD)は発達障害の一種であり、じっとしていられない、順番を待つのが苦手、考えずに行動してしまうなどの傾向があります。
注意欠陥障害(ADD)や注意欠如多動症(ADHD)をはじめとした発達障害は、脳の成長段階における何かしらの問題が影響していると考えられており、現代でも完治させるような治療法やアプローチが発見されていません。
とは言え、ブレインバランスセラピーやカイロプラクティック療法によって発達障害による症状が緩和される事例も上がっており、全く改善の余地が無いわけではありません。
また、本記事でご紹介する薬についても、発達障害の症状や体の仕組みを治すものではなく、あくまで症状を緩和させるという目的で処方されています。
注意欠陥障害(ADD)を抱える子どもについては「【注意欠陥障害 (ADD) を持つ子どもの症状とは?】具体的な行動や治療法をご紹介!」にてより詳しく解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!
注意欠陥障害(ADD)に薬は必要?
次に、注意欠陥障害(ADD)における薬の必要性についてご紹介します。
結論から述べると、注意欠陥障害(ADD)や注意欠如多動症(ADHD)に必ずしも薬が必要という訳ではありません。
前述したように、発達障害を抱える子どもなどに処方される薬は、問題を根本的な部分から治すものではなく、あくまで症状を一時的に抑制する目的で処方されます。
例えば、注意欠陥障害(ADD)の注意力が欠如する原因となるホルモン衝動性に影響するような神経伝達物質の分泌量を薬によって一時的にコントロールするといった具合です。
つまり、発達障害による脳への影響を改善するためには、脳機能の問題を直接解消する必要があり、薬による症状の緩和は全く異なるアプローチなのです。
注意欠陥障害(ADD)に効果のある薬
本項目では、注意欠陥障害(ADD)や注意欠如多動症(ADHD)の症状を抱える方に処方される薬について、以下の4つをご紹介します。
- コンサータ
- ストラテラ
- インチュニブ
- ビバンセ
また、発達障害に効果的なエビリファイという薬については「【エビリファイとは?】発達障害に必要な薬や効果的な対処療法についても徹底解説!」にてより詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください!
① コンサータ
注意欠陥障害(ADD)や注意欠如多動症(ADHD)の症状を抱える方に処方される主な薬の1つ目は「コンサータ」です。
前提として、注意欠陥障害(ADD)には、脳内から分泌される神経伝達物質である「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」が大きく影響すると考えられています。
これらの神経伝達物質は、注意欠陥や多動症などの症状に大きく影響しており、これらが正常に分泌されていない、あるいは適切に届けられていない場合に、注意欠陥障害(ADD)などの症状が現れると考えられています。
つまり、「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」を人工的に補うことで、特に注意欠陥の症状に作用し、一時的に抑えることができるのです。
そんなコンサータは、内服してから12時間程度の効能があるとされているので、服用する際には1日に1回朝服用します。
② ストラテラ
2つ目は「ストラテラ」です。
ストラテラとは、別名アトモキセチンとも呼ばれている薬で、コンサータ同様に注意欠陥や多動症などの症状を抑制する効果があります。
コンサータが主にドーパミンという物質を増やすことで症状を抑制する一方で、ストラテラは脳内のノルアドレナリンという物質を増やすことで症状の緩和を行います。
また、ストラテラは不安症状やうつ病を患っているような併存疾患がある患者の方でも服用できる薬となっています。
③ インチュニブ
3つ目は「インチュニブ」です。
イマチニブは、中枢神経系に作用するα2A-アドレナリン受容体作動薬として機能します。
私たちの脳には、α2A-アドレナリン受容体と呼ばれる、細胞に伝達される情報の受信機のような役割を果たしています。
本来であれば、このα2A-アドレナリン受容体にノルアドレナリンと呼ばれる物質が結合することで脳の働きを活性化させることができます。
しかし、注意欠陥障害(ADD)や注意欠如多動症(ADHD)を患っている場合はノルアドレナリンの分泌が少なく、イマチニブがノルアドレナリンの代わりにα2A-アドレナリン受容体に結合することで、脳の働きを活性化させます。
④ ビバンセ
4つ目は「ビバンセ」です。
ビバンセは、国内における注意欠陥障害(ADD)や注意欠如多動症(ADHD)への治療薬として最も新しい薬で、2019年に承認されました。
ビバンセは、体内で吸収された後、血液中でアンフェタミンに変化し、脳内のドパミンの再取り込みを阻害することでADHD症状を改善します。
アンフェタミンは、覚せい剤の一種ですが、ビバンセに含まれるものはプロドラッグ化により血中濃度の急激な変動を抑え、依存性のリスクを最大限に軽減しています。
コンサータと比較すると、ビバンセはドパミンとノルアドレナリンの分泌促進効果も持ち、さらにセロトニン増加作用も報告されています。
また、ビバンセは不注意や多動性、衝動性といったADHD症状の改善だけでなく、記憶力や集中力の向上も期待されています。
薬物療法以外の注意欠陥障害(ADD)への対処法
本項目では、薬物療法以外の注意欠陥障害(ADD)への対処法についてご紹介します。
本記事では、注意欠陥障害(ADD)への対処法として薬物療法をご紹介しましたが、薬を使用した対処法以外にも、以下のような選択肢が挙げられます。
これらの対処法は、体の神経に外部から刺激を与えることによって、脳の発達を阻害しているものを取り除くというアプローチを行います。
これらの対処法については、それぞれ記事に詳細を記載しているので、ぜひそちらもご覧ください。
また、注意欠陥障害(ADD)をはじめとする発達障害を抱える子どもにとって重要なのは、薬や治療ではなく、日々の生活における環境です。
注意欠陥障害(ADD)を抱える子どもにとって、日常生活や学校生活によるストレスは非常に大きく、保護者や先生のサポートが非常に重要となります。
場合によっては薬による症状の緩和も重要ですが、まずは注意欠陥障害(ADD)を抱える本人にとって安心できる環境を用意することを意識してみてください。
注意欠陥障害(ADD)のご相談はお早めに
いかがでしたでしょうか。
今回は、注意欠陥障害(ADD)を抱える方やその周囲の人に向けて、薬の種類や効果、薬物療法以外の対処法などについてご紹介しました。
既に何度もご紹介した通り、薬物療法はあくまでも一時的に症状を抑制するものであり、根本的に体や脳の不具合を治療するものではありません。
注意欠陥障害(ADD)を抱えている方、あるいは保護者の方の中でもしも適切なアプローチや対処法が分からないという場合は、ぜひ一度子どもブレインバランスセンターへご相談ください。