発達障害
2024年03月07日

【プロが解説】広汎性発達障害とは?

広汎性発達障害について詳しく知りたい

広汎性発達障害と自閉症スペクトラム障害(ASD)の違いについて理解したい

広汎性発達障害の症状を抱えている方、または広汎性発達障害を抱えた子どもを持つ保護者の方の中には、このような悩みを感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、そのような悩みを抱える方に向けて、広汎性発達障害の特徴や診断方法、具体的な治療法などについてご紹介します。

また、子どもブレイン バランスセンターでは、発達障害の治療を目的としたカイロプラクティック療法を提供しており、すでに効果が期待できる症例も確認できています。

カイロプラクティック療法については、後ほど詳しくご紹介するので、ぜひ最後まで目を通してみてください!

広汎性発達障害という名称について

まずはじめに、広汎性発達障害という名称について簡潔にご紹介します。

「広汎性発達障害」という言葉は、自閉症を含む 発達における広範囲の障害を総称する言葉として、長らく多くの人によって使用されてきました。

しかし、2013年にアメリカの精神医学会が「精神障害の診断と統計マニュアルの第5版(DSM-5)」を発表し、発達障害や自閉症を再定義したことで、「広汎性発達障害」というカテゴリーは「自閉症スペクトラム障害(ASD)」という一つの範疇に統合されました。

つまり「広汎性発達障害」という言葉は、自閉症に関連する症状の範囲と多様性をより正確に反映するという目的で、現代では「自閉症スペクトラム障害(ASD)」という名称となっていると考えて問題ありません。

本記事では、「広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)」という呼び名で統一し、具体的な詳細について深掘りしていきます。

広汎性発達障害の概要

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)とは、社会的コミュニケーションや相互作用における困難、限定された興味など、幅広い症状を特徴とする発達障害です。

このような症状は、「スペクトラム」という言葉が示すように、症状の重さや種類が人によって大きく異なります。

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の明確な原因は解明されてはいませんが、少なくとも遺伝的要因や脳の発達に関する要因が関与していると考えられています。

また、近年では、100人のうち1人〜2人がこのような症状に該当されると言われており、男性の方の方が女性よりも3倍程度多いとされています。

広汎性発達障害の症状や特徴

次に、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の症状や特徴についてご紹介します。

前述したように、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)は症状の強さによっていくつかの名称で分類されていますが、これらは本質的には同じ障害単位であると考えられているため、本記事では少し広い定義としてご説明します。

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の症状は、軽度のものから、比較的重度と考えられる症状まで様々ですが、一般的には以下のような症状が当てはまります。

  • 人と目を合わせる頻度が極端に少ない
  • 一方的な会話になりやすい
  • 表情やジェスチャーの理解が難しい
  • 他人の感情や視点の理解が難しい
  • 友人関係を築くことが難しい
  • 特定の物事や活動に対する極端な興味を持つ
  • 体を揺らすなどの、繰り返しの動作
  • 日常生活やルーティーンの変化に対する苦手意識が強い

上記のような、社会的コミュニケーションにおける困難制限された興味繰り返しの行動などに違和感を感じる際は、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の可能性があるでしょう。

広汎性発達障害の診断方法

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の診断方法には、主に以下の3つの方法があります。

  • 行動観察
  • 問診
  • 心理検査や知能検査

特に子どもに対して多く目立つ広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の診断は、通常 保護者や周囲の人による行動観察から始まり、その結果次第で医師を訪問したり、知能検査の受診を検討する流れが一般的です。

知能検査とは、複数の質問項目によって子どもの成長水準や知能水準、性格などを評価する方法で、医療機関や教育支援センターなどで受けることができます。

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)を確実に診断したいという場合には、専門知識を持つ医師に相談するのが最も適切な方法と言えるでしょう。

子どもブレイン バランスセンターでも、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)に関する相談や診断を受け付けているので、ぜひお気軽にご連絡ください。

また、発達障害を持つ子どもの特徴や生活における取り組みについては「【必見】発達障害の子どもの特徴や家でもできるトレーニングとは?」でも詳しく解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!

広汎性発達障害の原因

冒頭でもご紹介した通り、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の正確な原因については解明されていないのが現状です。

しかし、少なからず遺伝による影響は指摘されており、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)を持つ親であれば、同様の症状を持つ子どもを授かる可能性も高くなると言われています。

とは言え、遺伝による影響はあくまでも原因の一部であり、その他にも環境的な要因などが重なって症状が変化することも多々あります。

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)は、生まれつきの脳の機能障害によるものであり、事前の予防などの対策を行うことは難しいと考えられているため、適切な対処法や生活環境作りに注力すべきと言えるでしょう。

広汎性発達障害の治療法や対策

最後に、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の治療方法および対処方法について、以下の3つをご紹介します。

  1. 心理療法
  2. カイロプラクティック療法
  3. 薬物療法

心理療法

1つ目は「心理療法」です。

心理療法とは、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)への直接的な治療法ではなく、症状を抱える本人に対して心理的に安心できる環境を用意することを指します。

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)を抱える本人は、日常生活や対人関係において人並み以上に多くのストレスを抱えることが多いと言えます。

そのような状況を避けるため、本人の症状の特徴や傾向を理解し、周囲の人が積極的により良い環境作りを意識することが重要です。

また、うつ病や不安症といった二次障害を予防するためにも、心理療法は優先的に取り組むべき治療法と言えるでしょう。

カイロプラクティック療法

2つ目は「カイロプラクティック療法」です。

カイロプラクティック療法とは、手技による調整を中心とした治療法で、特に背骨や関節の機能障害を改善し、全体的な身体の健康を促進することを目的とした治療法です。

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)をはじめとした多くの発達障害は、その原因の一つとして神経系機能の過剰な反応や発達の異常による影響を受けていると言われています。

カイロプラクティック療法は、手技による脊髄調整を通じて神経系機能の最適化を図る治療法であり、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)に対して間接的に改善を促すことが可能です。

また、カイロプラクティック療法はアメリカやカナダで既に幅広く認知されており、運動機能の向上やストレス軽減といった身体機能全般に良い影響を与える手法としても注目されています。

子どもブレイン バランスセンターでは、カイロプラクティック療法に関する知識と経験を持つ院長が、治療を通じて広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)へのサポートを行っているので、詳しく知りたい、話を聞いてみたいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。

薬物療法

3つ目は「薬物療法」です。

薬物療法に関しては、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)に対する治療薬ではなく、うつ病や不安症、睡眠障害といった合併症/二次障害を抑えることを目的としています。

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の症状と並行してこれらの症状が確認できた場合には、医師を受診し、適切な頻度で薬を服用すると良いでしょう。

広汎性発達障害のご相談は、子どもブレイン バランスセンターへ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)について、その特徴や診断方法、具体的な治療方法についてご紹介しました。

既にご紹介したように、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)を抱える本人、特に子どもの場合は、周囲が想像する以上に多くのストレスや悩みを抱えていることが多く、何よりもまず「生活環境や対人関係を最大限考えてあげること」が大切です。

大人が抱える発達障害については「【大人の発達障害とは?】症状や特徴、向き合い方についてご紹介!」にて詳しく解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!

また、子どもブレイン バランスセンターでは、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)をはじめ、ADHD(注意欠如、多動性障害)や学習障害を持つ子どもへのサポートも行なっているので、少しでも話を聞いてみたい、治療法について詳しく説明を受けたいという方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!

豊富な知識と経験を持つ院長や精神保健福祉士が、それぞれの症状に合った最適なサポートをご提案いたします。