知的障害
2024年06月06日

【何ができない?】境界知能を持つ子どもの苦手分野や向き合い方をプロが解説!

境界知能を持つ子どもができないことって何だろう?

境界知能を持つ子どもの保護者として何をすべきなんだろう?

幼少期の子どもの保護者の方の中には、このような悩みを抱えている方も多いのでは無いでしょうか。

境界知能を持つ子どもは、発達障害や知的障害とは診断されないものの、日常生活において何かしらの困難を抱えている可能性もあります。

そこで今回は「境界知能を持つ子どもができないこと」に焦点を当て、その具体的な内容やサポート方法、対処療法などをご紹介します。

また、子どもブレイン バランスセンターでは、境界知能を持つ子どもはもちろん、発達障害や知的障害を抱えた子どもへのサポートも行っています。

お悩みのご相談もいつでも受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

境界知能を持つ子どもとは?

境界知能を持つ子どもとは?

まずはじめに、境界知能を持つ子どもについてご紹介します。

境界知能とは、IQが約70〜84の間の状態を指す言葉です。

境界知能を持つ子どもは、同年齢の一般的なIQには劣っているものの、発達障害や知的障害とは診断されないことが特徴です。

(一般的IQの値は、約90〜110程度)

発達障害や知的障害とは診断されないため、明らかな症状や日常生活における違和感を感じないケースがある一方で、人によってはストレスや困難を抱えていることもあります。

本記事では、境界知能を持つ子どもができない可能性のある動作や行動に焦点を当て、その具体的な内容をご紹介しています。

境界知能を持つ子どもの保護者の方は、子ども本人が本記事でご紹介するような症状を抱えている可能性があるということは覚えておいてください。

また、子どもの境界知能を確認する方法については「【境界知能のチェック】具体的な確認手順や診断方法、サポート内容をプロが解説!」にて解説しています。

 

境界知能を持つ子どもの脳の状態

境界知能を持つ子どもの脳の状態

次に、境界知能を持つ子どもの脳の状態について簡潔にご紹介します。

境界知能を持つ子どもができないことを知る前に、子どもの脳の状態について理解しておくことをオススメします。

境界知能を持つ子ども、あるいは発達障害や知的障害を抱える子どもは、その要因として脳の順調な発達が妨げられていることが挙げられます。

脳の発達が正常に促されない正確な原因は解明されていませんが、遺伝やストレス、神経系などによる影響が有力視されています。

つまり、一般的な人と比較してIQや知能が低いとされる場合、脳の発達過程に問題があることが多いと言えるのです。

この点は、境界知能を持つ子どもへの対処療法について考える際にも土台となる知識なので、保護者の方はぜひ頭に入れておいてください。

また、境界知能を持つ子どもの特徴については「【境界知能を持つ子どもの特徴とは?】具体的な症状や向き合い方をプロが解説!」にて解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!

 

境界知能を持つ子どもができないこと

境界知能を持つ子どもができないこと

本項目では、境界知能を持つ子どもができないことについて、以下の10個の項目に分けてご紹介します。

  1. 特定の分野の学習
  2. コミュニケーション
  3. 大勢の人前での対応
  4. 時間管理
  5. 自立的に行うべき動作
  6. 物事への集中
  7. 指示の理解
  8. ストレス管理
  9. 運動
  10. 論理的 / 柔軟な思考

これらの症状は、あくまで確認できる可能性のある症状であり、境界知能を持つ子ども全員に見られる症状ではありません。

とは言え、子ども自身の中ではこのような症状を抱えている可能性もゼロでは無いので、具体的な内容について知っておいて損は無いでしょう。

 

① 特定の分野の学習

境界知能を持つ子どもができないことの1つ目は「特定の分野の学習」です。

境界知能を持つ子どもは、抽象的な概念の理解が難しい傾向にあり、数学や国語などの論理的思考を要する特定の科目を苦手とすることがあります。

また、読解力が弱いことで、文章から情報を的確に読み取ることや、自分の考えを適切な言葉で表現することにも困難を感じる場合があります。

とは言え、特に小学校低学年の子どもたちの学力には個人差があるため、一概に境界知能によるものとは断言できないことが難点です。

 

② コミュニケーション

2つ目は「コミュニケーション」です。

境界知能を持つ子どもは、言葉の意味や背景を正確に理解することが難しく、会話の流れについていくことができない場合があります。

また、相手の感情や表情から意図を読み取ることも苦手な傾向にあるため、コミュニケーションにおいて誤解が生じやすくなります。

言葉のニュアンスや感情理解、表情など、多くの要素が絡み合うコミュニケーションは、境界知能を持つ一部の子どもにとって大きなストレスになりかねません。

 

③ 大勢の人前での対応

3つ目は「大勢の人前での対応」です。

境界知能を持つ子どもは、大勢の人前で緊張しやすいという特徴があり、うまく自己表現ができないことがあります。

グループ活動や発表など、人前で行動することを極度に苦手とし、避ける傾向にあります。

 

④ 時間管理

4つ目は「時間管理」です。

境界知能を持つ子どもは、計画的に予定を立てたり、物事を逆算して優先順位をつけたりすることが苦手な傾向にあります。

また、期限内に作業を終えたりすることや、急な予定の変更に対応することにも困難を感じる場合があります。

家庭や学校で時間管理があまりにもできていないという指摘があった場合は、境界知能による影響かもしれません。

 

⑤ 自立的に行うべき動作

5つ目は「自立的に行うべき動作」です。

境界知能を持つ子どもは、身の回りのことを自分で行うことができない場合があります。

例えば、着替えや食事、整理整頓など、本来であれば自分自身で考えて日常的に行うような行動も、難しく感じてしまうのです。

日常的な動作を自立して行うことに時間がかかったり、ものによっては援助が必要だったりする場合は、境界知能が原因の可能性があります。

 

⑥ 物事への集中

6つ目は「物事への集中」です。

境界知能を持つ子どもは、物事に長時間集中することができず、すぐに飽きてしまう傾向にあります。

また、同時に複数の刺激が与えられると、どれに注意を向けてよいのか判断が難しくなることもあります。

集中力が極端に弱いと感じる場合は、一つのことに集中できる環境を作ってあげることが重要となります。

 

⑦ 指示の理解

7つ目は「指示の理解」です。

境界知能を持つ子どもは、複雑な指示を理解することが難しい場合があります。

これには様々なケースがあり、家庭での親子間の指示から、学校生活における先生からの指示なども含みます。

一度に多くの情報が与えられると頭の整理ができずに混乱してしまうため、指示は簡潔で具体的であることが望ましいと言えます。

 

⑧ ストレス管理

8つ目は「ストレス管理」です。

境界知能を持つ子どもは、ストレスへの耐性が低く、感情のコントロールができないことがあります。

予期せぬ出来事や環境の変化に対して、パニックを起こしたり、不適切な行動をとったりすることもあるでしょう。

また、境界知能を持つ子どもは、周囲が想定する以上にストレスを抱えている場合も多く、そのような場合は人を傷つけたり暴力を奮ってしまうこともあります。

 

⑨ 運動

9つ目は「運動」です。

境界知能を持つ子どもは、運動能力が同年代の子どもと比べて低い場合があります。

運動能力が低い子どもはバランス感覚や協調性が乏しく、スポーツや体を動かすこと自体が苦手だと感じることも多いと言えます。

運動についても学力同様に個人差が大きいものなので、これだけで知能が周囲よりも劣っていると判断することは難しいでしょう。

 

⑩ 論理的 / 柔軟な思考

最後は「論理的 / 柔軟な思考」です。

これまでにご紹介したいくつかの内容と重複する内容ですが、境界知能を持つ子どもは深く思考を巡らせることができないと感じる場合があります。

日常生活や学習内容について因果関係を理解することや、物事を多角的に捉えることを苦手とする場合は、論理的 / 柔軟な思考に抵抗を感じやすいと言えるでしょう。

 

境界知能を持つ子どもに対する「できないことへのサポート」

境界知能を持つ子どもに対する「できないことへのサポート」

本項目では、境界知能を持つ子どもに対する「できないことへのサポート」についてご紹介します。

本記事でもご紹介した通り、境界知能を持つ子どもはあくまで一般的なIQよりも若干その値が劣る程度なので、具体的な困難やストレスを感じない場合もあります。

しかし、境界知能や発達障害などによる症状は、本人が自覚がないまま誰にも気付かれないことも多々あります。

そのような場合は、具体的な原因が分からない、相談できる相手がいない、などの状況に陥ってしまうこともあり、さらに多くのストレスを抱えてしまうという悪循環になってしまいます。

そのため、境界知能を持つ子どもにとって重要なのは周囲のサポートや環境であり、本人ができないことをしっかりと理解してあげることが大切です。

境界知能を持つ子どもの保護者が気を付けることについては後ほど改めてご紹介します。

 

境界知能を持つ子どもに対する対処療法

境界知能を持つ子どもに対する対処療法

本項目では、境界知能を持つ子どもに対する対処療法について、以下の3つをご紹介します。

  1. ブレインバランスセラピー
  2. カイロプラクティック療法
  3. 心理療法

これらの対処療法は、発達障害や知的障害を抱える子どもにも効果的なアプローチなので、ぜひ参考にしてみてください。

 

① ブレインバランスセラピー

境界知能を持つ子どもに対する対処療法の1つ目は「ブレインバランスセラピー」です。

ブレインバランスセラピーとは、右脳と左脳のバランスを整えることで脳の正常な発達を促す療法です。

前述したように、境界知能などの子どもは周囲と比較して脳の発達が正常に行われていないことが一つの原因と考えられています。

そのため、本来のスピードと健康状態で脳の発達を促すことができれば、脳も通常通り発達するのです。

子どもブレイン バランスセンターで行っているブレインバランスセラピーでは、皮膚などへ外部から刺激を与えることで間接的に脳へのアプローチを行います。

ブレインバランスセラピーについては「【ブレインバランスセラピーとは?】発達障害への効果や仕組みについて徹底解説!」にてより詳しく解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!

 

② カイロプラクティック療法

2つ目は「カイロプラクティック療法」です。

カイロプラクティック療法とは、手技を使って背骨を中心とする骨格の歪みを矯正することで、脳の働きを促進させる施術を指します。

冒頭でもご紹介した通り、子どもの脳の発達は体の神経系と密接に関係しているため、体の神経系に問題が生じると脳の発達が阻害されてしまいます。

カイロプラクティック療法では、背骨を中心とする骨格の歪みを矯正することで、骨に関係している神経系を調整し、脳の発達を促します。

カイロプラクティック療法については「【カイロプラクティック療法とは?】発達障害への効果や仕組みについて徹底解説!」にてより詳しく解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!

 

③ 心理療法

3つ目は「心理療法」です。

心理療法とは、症状を抱える本人の特徴や苦手分野を正確に理解し、本人に合った最適な方法で心に寄り添う方法です。

前述したように、境界知能を持つ子どもをはじめ、発達障害や知的障害を抱える子どもの症状は人によって様々です。

そのため、同じ境界知能を持つ子どもと言っても、助けを求めている状況やストレスを感じる局面が少しずつ異なります。

そのため、子どもの症状や感じていることにしっかりと耳を傾け、どのような状況でどのようなサポートが欲しいのかを明らかにさせる必要があります。

心理療法は、境界知能によって子どもができないことへの大きな手助けとなるので、病院やクリニックよりも先に、まずは子どもに寄り添うことを優先して考えてみてください。

 

境界知能を持つ子どもの保護者が気を付けること

境界知能を持つ子どもの保護者が気を付けること

最後に、境界知能を持つ子どもの保護者が気を付けることについて、以下の3つをご紹介します。

  1. 子どもへの理解を意識すること
  2. 境界知能についての理解を深めること
  3. 最適な環境づくりを考えること

境界知能を持つ子どもができないことを知ると同時に、ぜひこれらの内容についても考えてみてください。

 

① 子どもへの理解を意識すること

境界知能を持つ子どもの保護者が気を付けることの1つ目は「子どもへの理解を意識すること」です。

既に何度も述べている通り、境界知能を抱える子どもにとって最も重要なのは周囲の理解とサポートです。

特に保護者は、幼少期の子どもにとって大きな心の支えであり、頼るべき存在です。

そのため、保護者の方がしっかりと子どもの症状や状況を理解し、味方であることを伝える意識が重要です。

 

② 境界知能についての理解を深めること

2つ目は「境界知能についての理解を深めること」です。

当然のことですが、いくら子どもをサポートすると言っても、境界知能について理解が浅ければ適切な対応やサポートはできません。

境界知能については他の記事でもご紹介しているので、ぜひそれらも読み合わせて理解を深めてみてください。

また、子どもブレイン バランスセンターでも境界知能に関するご相談はいつでも受け付けているので、お気軽にご相談ください。

 

③ 最適な環境づくりを考えること

3つ目は「最適な環境づくりを考えること」です。

境界知能を持つ子どもへの理解を深め、できないことの傾向などがある程度分かってきたら、生活や学習における最適な環境づくりにも目を向けるべきです。

子どものペースに合わせて柔軟に対応することはもちろん、課題を小さなステップに分けたり、落ち着いて考えることができる空間を用意してあげることも大切です。

また、子どもが抱える不安や悩みに関する相談にいつでも乗ることができる状態を作っておくことは、子どもにとっても大きな安心材料になります。

子どもの性格や傾向を見極め、最適な環境づくりを考えることが大切です。

 

境界知能を持つ子どものご相談は、子どもブレイン バランスセンターへ

境界知能を持つ子どものご相談は、子どもブレイン バランスセンターへ

いかがでしたでしょうか。

今回は、「境界知能を持つ子どもができないこと」に焦点を当て、困難が想定される具体的な内容や対処療法、保護者の子どもへの向き合い方についてご紹介しました。

境界知能は、本人が自覚することが難しい上、周囲が気付きにくいものでもあります。

しかし、誰も気付かぬまま症状を放置してしまうと、鬱や不安などの二次症状にも繋がってしまうため、早い段階で気付くことが重要です。

子どもの発言や行動に違和感を感じた際は、ぜひ一度子どもと向き合って学校生活などについて聞いてみると良いでしょう。

また、子どもブレイン バランスセンターでも境界知能に関するご相談、サポートを承っています。

境界知能について分からないことがある、境界知能を持つ子どもへの最適なアプローチについて知りたいという方は、いつでもお気軽にご相談ください!