知的障害
2024年05月30日

【境界知能を持つ子どもの特徴とは?】具体的な症状や向き合い方をプロが解説!

境界知能の子どもの特徴を知りたい

境界知能について、発達障害や知的障害との関係性を理解したい

子どもの生活環境や学習環境に不安を感じている保護者の方、あるいは発達障害などの症状を抱えている子どもの保護者の方の中には、このように考えている方も多いのではないでしょうか。

境界知能は、子どもに限らず ずべての人間に対して使われる「知能レベルを指す言葉」です。

今回は、そんな境界知能に焦点を当て、子どもの特徴や症状、発達障害との関連についてご紹介します。

また、子どもブレイン バランスセンターでは、発達障害を抱える子どもを対象に、ブレンバランスセラピーやカイロプラクティック療法を用いたサポートを行っています。

子どもが抱える発達障害に関するお悩みをお持ちの保護者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

境界知能とは?

まずはじめに、境界知能についてご紹介します。

境界知能とは、IQが約70〜84の間であり、発達障害や知的障害とは診断されていない状態を指して使われる言葉です。

一般的な人のIQの平均値はおよそ85〜115の間であると言われており、境界知能の場合はその値にやや劣ります。

IQが境界知能の水準の子どもは、発達障害や知的障害とは診断されることは少ないため、特別な支援などは受けられません。

しかし、日常生活や学校生活で度々困難を抱えることもあり、対処や向き合い方が難しいのが特徴の1つです。

境界知能、知的障害、発達障害の違い

本項目では、境界知能や発達障害、知的障害の違いについてご紹介します。

前述したとおり、境界知能はあくまで知能レベルを示す言葉です。

また、知的障害は成長の過程で起こった知的発達の遅れによって一般的な知能よりも低い状態を指します。

それに比べて発達障害は、生まれつき、あるいは幼少期の環境によって脳の発達が遅れることで特定の作業や行動に困難を伴うものです。

知的障害は、一般的にIQという指標で測ることも可能であり、境界知能と比較した際の具体的な数値と名称は以下のようになっています。

  • IQ70〜84:境界知能
  • IQ50〜70:軽度知的障害
  • IQ35〜50:中等度知的障害
  • IQ35以下:重度知的障害

一方で発達障害は、前述したように特定の分野において苦手意識を持つ側面があるため、一概にIQで測ることは難しいとされています。

境界知能を持つ子どもの特徴や症状

本項目では、境界知能を持つ子どもの特徴や症状について、以下の3つに分けてご紹介します。

  1. 学習への困難や抵抗を感じる
  2. コミュニケーションへの困難や抵抗を感じる
  3. 日常生活でストレスを抱える

境界知能は、一般的な人と比較すると低いIQであると同時に、知的障害とは診断されない水準であるため、必ずしもこれらの特徴を抱えているわけではありません。

しかし、境界知能の子どもたちは、遺伝や環境によってその後知能が低下する、発達障害と診断される可能性もゼロではありません。

その際には、本項目でご紹介するような症状を感じてしまう可能性も高いため、ぜひ一度目を通しておいてください。

また、境界知能を持つ子どもが「できないこと」については「【何ができない?】境界知能を持つ子どもの苦手分野や向き合い方をプロが解説!」にて解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!

 

① 学習への困難や抵抗を感じる

境界知能を持つ子どもの特徴や症状の1つ目は「学習への困難や抵抗を感じること」です。

境界知能を持つ子どもは、学習に対して特有の困難や抵抗を感じることがあります。

例えば、読み書きや計算といった基本的な学習スキルの習得に時間がかかったり、暗記や物事の理解に多くの時間を要したりといった症状です。

学習内容自体に興味を持てなかったり、繰り返しや練習にすぐに飽きてしまったりすることもあるでしょう。

また、特に小学校低学年の子どもの場合、これらの症状が単に「勉強が苦手」として理解されてしまい、保護者や先生が重く受け止めないことも多々あります。

そのような場合、子どもは自分を責めたり、必要以上にストレスを抱え込んでしまう可能性もあります。

 

② コミュニケーションへの困難や抵抗を感じる

2つ目は「コミュニケーションへの困難や抵抗を感じること」です。

境界知能を持つ子どもは、日々のコミュニケーションに困難を感じることが少なくありません。

具体的な要因は子どもによって様々ですが、言葉や表現、ジェスチャーの理解など、他者とのやりとりに必要なスキルに課題を抱えている場合があります。

また、感情のコントロールがうまくできないことで、必要以上に怒ってしまったり、物に当たってしまうこともあるでしょう。

感情のコントロールなどに関しても、特に幼少期の場合は周りが特別な違和感を感じないことが多いため、気が付くのが遅れてしまうことが多いと言えます。

 

③ 日常生活でストレスを抱える

3つ目は「日常生活でストレスを抱えること」です。

学習やコミュニケーションにおける特徴とも類似しますが、境界知能を持つ子どもは日常生活の一つひとつの出来事にストレスを抱えてしまうことが多々あります。

予測できない出来事への対応や親の叱責が理解できないなど、その要因は多岐にわたります。

また、発達障害が認められるようになると、感覚刺激への過敏性や変化への適応の難しさなど、より多くの症状が見られるようになります。

境界知能の診断方法

本項目では、境界知能の診断方法(子どものIQを測る方法)についてご紹介します。

子どものIQに違和感を感じた際は、まずは児童精神科や小児神経科、あるいは総合病院などで診断を受けることができます。

専門の医師とのコミュニケーションによってある程度のIQを測ることができるでしょう。

もしも、より正確にIQを計測したいという場合は、本格的なIQ診断テストを受けてみても良いでしょう。

境界知能の診断方法についてより詳しく知りたいという場合は、「【境界知能のチェック】具体的な確認手順や診断方法、サポート内容をプロが解説!」にてより詳しく解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!

境界知能への対処療法

本項目では、境界知能も持つ子どもへの対処療法について、以下の3つをご紹介します。

  1. 心理療法
  2. ブレインバランスセラピー
  3. カイロプラクティック療法

既に何度もご紹介している通り、境界知能はあくまで正常な知能レベルと知的障害と診断されるレベルの間のレベルの知能を指す言葉です。

そのため、本項目でご紹介するような療法が必ずしも必要というわけではありません。

しかし、関連する発達障害や知的障害の方々には、本項目でご紹介するようなアプローチが行われるため、理解しておいて損はないでしょう。

 

① 心理療法

境界知能も持つ子どもへの対処療法の1つ目は「心理療法」です。

心理療法とは、子どもが抱える特徴や症状に合わせて、適切なアプローチで心に寄り添うような感情的なサポートを指す言葉です。

境界知能を持つ子どもにおいては、人によっては本記事でご紹介したような症状が顕著に現れない場合も多くあります。

しかし、もしも学習環境や日常でのコミュニケーションにおけるストレスを本人が抱えている場合は、保護者や周囲の人からの心理的なサポートが非常に重要となります。

学習やコミュニケーション、日常生活において少しでも違和感を感じた際は、子どもに寄り添って話を聞いてあげることで、心理的に大きな支えとなるでしょう。

 

② ブレインバランスセラピー

2つ目は「ブレインバランスセラピー」です。

ブレインバランスセラピーとは、脳の発達の妨げとなっている原因を特定した上で脳のバランスを整え、知能の向上を図るものです。

子どもの知能は、脳の発達によって形成されるものであり、成長過程における脳の発達に何かしらの問題が生じてしまうと、正常な発達が促されなくなってしまいます。

子どもの時期に脳の発達が正常に行われなければ、当然知能も低い状態(境界知能)でとどまってしまい、その状態が悪化すると発達障害や知的障害などに繋がってしまいます。

ブレインバランスセラピーでは、そんな脳の発達を妨げている要因を調べ、それを解消することで本来の発達を取り戻す手法です。

ブレインバランスについてより詳しく知りたいという場合は、「【ブレインバランスセラピーとは?】発達障害への効果や仕組みについて徹底解説!」にて解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!

 

③ カイロプラクティック療法

3つ目は「カイロプラクティック療法」です。

カイロプラクティック療法とは、手技を使って背骨を中心とする骨格の歪みを矯正することで、脳の働きを促進させる施術を指します。

脳の発達には、体の様々な要素が関係しており、その中の1つとして体内の神経系の働きがあります。

カイロプラクティック療法では、骨格の歪みを矯正することで体内の神経系の働きを改善し、間接的に脳の発達に良い影響を与える手法です。

カイロプラクティック療法については、「【カイロプラクティック療法とは?】発達障害への効果や仕組みについて徹底解説!」にてより詳しく解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください。

境界知能の子どもへの向き合い方

最後に、境界知能を持つ子どもへの向き合い方について、以下の4つをご紹介します。

  1. 症状や苦手分野を理解すること
  2. ストレスの無い環境を意識すること
  3. 最適な学習環境を用意すること

境界知能を持つ子どもでも、もしも本記事でご紹介したような特徴を感じる場面があれば、ぜひ本項目でご紹介するような向き合い方について考えてみてください。  

① 症状や苦手分野を理解すること

境界知能を持つ子どもへの向き合い方の1つ目は「症状や苦手分野を理解すること」です。

境界知能の子どもは、学習面やコミュニケーション面での困難を抱えていることが多いため、その特性を理解し、適切な支援を行うことが最も重要です。

子どもの行動の背景にある要因を探り、子どもなりの対処法を一緒に考えていくことが求められます。

また、子どもの苦手分野に対して咎めることはせず、焦らずゆっくりと取り組む姿勢を意識させることも大切です。

 

② ストレスの無い環境を意識すること

2つ目は「ストレスの無い環境を意識すること」です。

前述したように、境界知能の子どもは日常生活の中でストレスを感じやすい傾向にあります。

そのため、あらゆる生活面においてストレスの少ない環境づくりを意識することが重要となります。

例えば、生活の予定の変更などは早めに伝え、子どもが見通しを持てるようにするといった些細なことにも気を配ることができれば理想的です。

また、感覚過敏のような症状が見られる場合は、刺激の少ない静かな空間を用意するなどの配慮も必要です。

子どものストレスサインを見逃さず、こまめに休憩を取り入れることも大切でしょう。

 

③ 最適な学習環境を用意すること

3つ目は「最適な学習環境を用意すること」です。

子どもがどのような状況であれ、幼少期や小学校の教育が重要であることに変わりはありません。

境界知能が原因で学習意欲が低い、周囲と同様に学習が進まないなどの症状は仕方がないことですが、それでも子どもが安心して学習に取り組むことができる環境を用意することが重要です。

視覚的な教材を活用したり具体的な例示を挙げたりするなど、分かりやすい指導の工夫も取り入れてみると良いでしょう。

境界知能に関するご相談は、子どもブレイン バランスセンターへ

いかがでしたでしょうか。

今回は、知能指数を示す言葉の1つである「境界知能」について、その言葉の内容や子どもの特徴、発達障害などの症状を絡めてご紹介しました。

冒頭でもご紹介した通り、境界知能は知能レベルとして適切な対応や判断が難しいものです。

特に幼少期の場合、子どもの行動や脳の発達には個人差があるため、周囲と比較して気付くことも難しいでしょう。

しかし、子どもの幼少期の脳の発達はその後の人生に大きく関わるものなので、少しでも違和感や不自然な症状を感じたら、専門家に相談することをオススメします。

また、子どもブレイン バランスセンターでは、境界知能のご相談はもちろん、本記事でご紹介したようなブレインバランスセラピーやカイロプラクティック療法なども行っています。

子どもの異変や違和感を感じた場合は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。